2015/03/18

【ネタバレ注意】あすかみみ×鈴木茶織チームショー ハルジオン【東洋ショー】





春に咲く、キク科の紫苑。
紫苑(ハルジオン)の花言葉は、「追憶の恋」という意味だそうだ。



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ストリップ仲間から、凄く良い演目があるよと言われて、大阪天満の東洋ショーにやってきた。東京から帰ってきたそのままの足だったので、着いたのは4回転目が始まる頃だった。今日は、三月中の楽日だ。

その「凄い」というのは、チームショーらしい。鈴木茶織さんと、五周年を迎える・あすかみみさん、二人の作品とのことだ。
観てみると、確かに凄かった。40分という長い作品だったが、時間を感じさせない素晴らしいものだった。また観ることは難しいかもしれないので、せめて覚え書きをしておこうと思う。



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まず、幕が開いて驚かされたのは、目に飛び込んできた真っ赤な鳥居だった。舞台の真ん中にドーンと置かれている。ここ、ストリップ劇場だぞ?!思わず突っ込んでしまった。

そして鳥居の前には、神社を守る稲荷狐のように、キツネの耳と尻尾を着けた2人が左右に座っていた。


可愛い…
思わず呟いてしまうほど愛らしい見た目だった。そしてまだ始まってもないが、設定からしてこれは絶対好きな演目だ、と思った。

2人は童子のように舞台の上を飛び跳ねた。じゃれ合う姿は無邪気という言葉しか当てはまらない。勿論見たことはないが、稲荷狐もきっとこんな感じに無邪気に遊ぶのだろう。

BGMとして、バンプオブチキンのこの曲が流れる。

この舞台の名前はそう、この曲と同じ

ハルジオン

という演目だそうだ。



舞台は転換し、2人が居た場所には稲荷狐の張りぼてが狛犬のように置かれていた。
そして、どうやら大正時代の設定らしい、大正モダン溢れる雰囲気の2人がそこにいた。鈴木茶織さんは着物の女子学生、あすかみみさんは袴の男子学生の姿をしている。

男子学生が何かをスケッチブックに描いており、女子学生がそれを覗き込む。稲荷狐の絵だったようで、女子学生が上手上手と褒める。
ふいに顔が近づいて、パッと離れて、照れる二人。恋の始まりだったのだろうか。

愛を深めていく二人。チークダンスのように踊る。赤いマフラーが揺れるのが印象的だった。
BGMは高橋ヒロさんの太陽がまた輝く時だ。(どうでも良いが、幽遊白書世代には堪らない一曲だった。)

さて、そんな2人にも別れが来た。

盤の上であすかみみさん演じる男子学生が横たわっている。側に寄る茶織さん演じる女子学生。
恐らくだけど、男子学生との最後は死別だったのだろう。



赤いマフラーを残し、盤を去る男子学生。女子学生のベッドが少しだけあり、その後舞台が暗転する。



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稲荷狐のシーンを挟んだ後、舞台は目まぐるしく変わり、次は平成の今の設定のようだった。女役と男役が入れ替わり、あすかみみさんが女子高校生、茶織さんが男子高校生の服装をしている。そして、男子高校生の首元にはまた赤いマフラーが巻かれていた。

大正の、あの時と同じように、男子高校生が絵を描いているシーンから始まる。それを女子高校生が覗き込み、上手上手と褒める。ふいに顔が近づいてパッと離れて照れる二人。そのまま踊りだす。恋の始まりと、仲が深まっていくのとも、昔を追想しているようだった。

そしてまた、すれ違う二人。追いかけては、見失って、扉を上手く利用して代わる代わる二人が舞台に現れる。
その後は、すれ違いの寂しさを紛らわせるような、女子高校生のベッドだ。

このまま別れが来るのかと思ったが、その恋の最後は追憶したそれは違うものだった。

男子高校生がやってきて、一人で居た女子高校生に赤いマフラーをそっとかけて、2人で巻く。そして、引っ張り合いをしてじゃれ合う。
赤いマフラーは、運命の赤い糸だったのだろうか。今度は死という別れはない。追憶の恋の先がどうなるかは、誰にも分からない。


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転換し、稲荷狐になって出てくる2人。舞台を踊りまわり、盤の上に2人で舞出る。そして2人でポーズを決めていった。

女子学生、男装、童子のような狐稲荷と、目まぐるしく着替えさまざまな姿を演じてた彼女達に感心していたが、持ち前の身一つで挑む姿はやはり何よりも美しい。ましてや2人も居るとなると、凄い迫力だ。

華やかなベッドが終わると、会場からは盛大な拍手が送られた。



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というような演目だったのだが、一度しか観ておらずメモも何も取れなかったので記憶違いの所があるかもしれない(ごめんなさい)

ハルジオンの花言葉である「追憶の恋」というのがテーマであることは言うまでもない。大正と平成の時代が交差する様は、作り込まれているなぁと観ていて見事だと思った。そして、道の片隅で咲くハルジオンと、神社の片隅に存在する稲荷狐と、どちらも時間の流れを見届ける立場として重ね合わせたのか。


凄い作品を観たな〜と思いながら、明るくなった場内を見回すと、ノリで初めてストリップを観に来ちゃいましたみたいな男性達が惚けているのが目に入った。彼らの中には、この作品を切っ掛けに、これからストリップにハマる人もいるだろう。

でも残念ながら、この彼はもう二度とこの作品を観ることは出来ないかもしれない。今回のことで言えば、このチームショー自体非常に珍しい組み合わせだったそうだ。私ももっと観ておけば良かったと、とても口惜しく思っている。

というか、それは誰のどんなステージでも言える。どんな素晴らしい演目だったとしても、ストリップの作品が映像等の媒体で残るということは極めて稀である。つまり、10日間という短い時間を過ぎてしまうと、よっぽど全国を行脚でもしない限り、同じ舞台を観ることは殆ど出来なくなる。

ストリップに何度も通ってしまう人の中には、もう一度あの素晴らしい舞台を観たい、という想いで通っている人も多いだろう。
もう二度と観れないストリッパーを、もう二度と観れない作品を想い、追い求めるように劇場に通う。
まるで追憶の恋とは、ストリップのようだ。